エターナル・フロンティア~前編~

 勘がいいカディオに誤魔化しても、簡単に嘘だとわかってしまう。その為、ソラはレナの家で一泊してきたことを話した。勿論、カディオはレナがどのようなことをしている人物か知っている。それが関係し、何か悪いことをされたのではないかと真剣な表情で心配する。

「平気だよ。祖母と孫だから」

「孫?」

「コーネリアス博士は、一人暮らしだから。寂しいんだって。だから、オレが孫になったんだ」

「何だか、いい話しだな」

「という訳だから、怪しいことでこの場所にいたんじゃない。祖母と孫のスキンシップだよ」

 彼の説明に納得したように、カディオは頷き返す。そもそもイリアという幼馴染がいるのに、他所に女性を作るのは失礼だ。その点を軽く突くと、ソラの頬が微かに赤く染まった。

 可愛らしい初な反応に、カディオはケラケラと笑い出す。普段のソラであったらカディオのからかいに対し毒を吐いて反論するのだが、今日は調子が出ないのか無言で聞き流していた。

「まあ、お前にとってそれが一番いいのかもしれないな。何というか、味方が多い方がいい。で、出すぞ」

「ああ」

 カディオの言葉は、確かに一理ある。科学者(カイトス)の中で味方は、タツキとクリスの二人。その中に加わった三人目。強い味方が加わってくれたことに、カディオも内心はホッとしていた。

 これで少しは、いい方向に向かってくれればいい。友人として、心の底から願う。しかし、それを言葉に出さない。ただ態度で示し、ソラを影から支えていく。真の意味での平和が訪れるまで――
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