エターナル・フロンティア~前編~
研究所の主だった部署は「生物研究・能力・宇宙開発」と、大まかにわけることができた。しかし細かく分類するとそれ以上に数多く存在するが、大きく分割するとこの三つにわけられる。連邦の勢力が宇宙の大半を占めている事柄は、此処から窺い知ることができる。
研究施設が建てられている場所は、連邦本部から離れている。その分敷地は広く、様々な建物が点在する。その数をイリアは正確に把握していないが、それはまるでひとつの街のようだ。施設につくと、入り口でチェックを受けた。登録されたIDと、指紋を照合し中に入っていく。
連邦の重要な施設だけあって、警備が厳しい。廊下では数多くの兵士とすれ違い、アカデミーとは違った雰囲気が味わえる。何かピリピリと張り詰めた、緊張感のようなものを。所属している研究室の前に着くと、専用のカードを機械に通す。ピッピッと電子音がし、照合が完了。扉が開く。
(あっ! 皆そろっている)
中では何人もの科学者やアカデミーの生徒が、研究を進めていた。イリアはそれらの人に挨拶をし、専用のディスクにつく。一人に二台のパソコンを与えられ、それらを用いり個々に研究を進める。一台一台のパソコンはネットワークで繋がり、他の研究部署とサーバーを共有している。
イリアが行っている生物研究の意図は、未発見の生物の生態を研究し人類に役立てられるかという判断を下すというもの。利用価値があるとわかれば遺伝子構造を研究し、人々の生活に役立てる。それらは文明の発展に大きく影響を齎し、人々の生活水準が上がっていく。
生物研究の一番の重要性が、人に危険を及ぼす生物の発見と研究。未開の惑星の中には、人を一撃で麻痺させる生物がいたりする。それらの生物に対抗する〈ワクチンの開発〉これも、重要な課題であった。一見、地味とも思える仕事であるが、それは人類にとっては必要不可欠な研究だ。
研究の前に科学者はその惑星に赴き、対象となる生き物を捕獲しないといけない。その為、他の部署より大変な部分が多い。何せ研究対象が、素直に向こうから来てくれるわけではないからだ。
イリアは一ヶ月、他の科学者と共に目的の惑星に同行した経験を持っている。だが、それはまだ短い方で、長くて七・八ヶ月。下手すれば、二年は帰ってこられないという話も耳にする。中には三年も故郷に帰っていないという者もいるらしく、想像以上にハードな仕事だ。
だがこれは極端な話であり、メンタル面を考えれば二年が最高である。それにスケジュールがキチンと決められているので、長期間研究することはまずない。また、未開惑星での調査は危険が伴う。それぞれの研究班には必ず軍が同行するが、危険が回避できるわけでもない。