エターナル・フロンティア~前編~

 中には、目的の惑星(ほし)に向かっている間に事故が発生し中断。対象となる惑星に建設した研究施設に野生生物が乱入し、科学者や兵士が負傷。また原住民との折り合いがつかなくなってしまい、互いに口論となり研究が中止。幸いにも、どの事件からも死者は出ていない。

 しかしこの例が物語っているように、研究するにも命がけ。同行する兵士は、能力者が多い。だが、数には限度がるので、一般の能力を持たない兵士が赴く方が多い。科学者も一般の兵士より能力者の同行を求めるが、力関係により、要人の護衛に回ってしまうのが現状。

 このあたりは、文句を言っても改善されることはない。能力者の人数は多くなく、護衛を頼んでも三・四人しか連れていけないのだ。それに対象となる惑星の危険度を考慮すると、能力の低い者は必然的に除外されてしまう。そうなると、ますます数が制限されてしまう。

 イリアのように幼馴染に無理を言って、同行して貰うという方法もある。しかし何らかの関係を持っている科学者は、滅多にいない。ましてや友人や知人というのは、更に難しい。

 両者は協力を求める以外、接触は無いに等しいからだ。唯一関係ある部署といえば、能力者の研究・メンタルチェックを行っている機関だけになってしまう。それに能力者の行動は厳しいほど管理され、個人がどうこうできるレベルではない。それに見付かったら、何かと煩い。

 昔イリアがアカデミーに入学したての頃、研究の助手という名目でソラをとある惑星に連れて行ったことがあった。無論それはアカデミーに内緒で行ったことであり、もし知られていたら大目玉であっただろう。一見、自由に思える彼等の行動。しかし、内情はとても厳しい。

 ましてや、力を持つ者を他の惑星に勝手に連れて行く行為は、許されるものではない。上層部の耳に入ってしまえば、大事に発展してしまう。世間一般の彼等に対しての偏見は想像以上に強く、その行動ひとつひとつが監視されている。全ては、能力の暴走を恐れて――

 彼等の考え方は実に酷い内容であるが、大勢と少数の場合、明らかに後者が不利。お互いの性質を理解し合えるには、相当な時間と労力が必要となってしまう。果たして、両者が歩み寄るということがあるのだろうか――それは、大勢の人間の気持ちが変わらない限り決してない。

 だが、可能性がないわけでもない。

 ソラとイリアが内緒で向かった場所というのは、ある程度開発と研究が進められている惑星であった。その為、様々な設備が整えられ多くの科学者も暮らしていた。だがそれが油断する原因となり、人々が暮らしているエリア外で野生生物に襲われ大変な目に遭ってしまう。
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