エターナル・フロンティア~前編~
寧ろ、清々しさが感じられた。
「オレも、そうありたいよ」
自分達の人生を左右させる運命が、非情だということを知っている者は少ない。また、それに操られていることさえ気付いていない。全ては、運命の意思のまま――それでもタツキは逆らい、自分自身で運命を切り開いた。しかし、それができるのはほんの一部の者といっていい。
ソラはベッドの上に置かれていた携帯電話を手に取ると、友人に電話を掛けることにする。普段は互いに忙しいので主にメールでのやり取りを主体としていたが、今回は友人の声が聞きたかった。
「……お前が送ったメールの件だけど、行くことにするよ。たまには食事も、いいと思ってね」
一日ゆっくりと過ごす予定であったが、今回は友人の誘いを優先する。彼の本音としてイリアが訪れたことで嫌な過去を思い出してしまったのだので、気分を切り替えるのは難しかったからだ。それに一人で過ごしていると孤独感を強く感じ、誰かが側にいて欲しかった。
「……わかった、その時間に」
ソラの返事を受け取ると同時に、電話口から大声で笑う声が聞こえてきた。突然の大声に耳の奥底が痛み出し反射的に携帯電話を耳から離すが、相手の大声に完全にやられてしまった。
「煩い! こっちは、朝から気分が悪い。だから、不機嫌な声なんだよ。切るからな。今夜、覚えておけよ」
宣戦布告とも取れる言葉を一方的に突き付けると、電話を切り携帯電話をベッドに放り投げようとするが、寸前でその手が止まった。何を思ったのか、ソラはタツキに連絡しようと考えた。だが、相手が電話に出てくれるかどうか怪しく、それに何かと仕事が忙しい身分。
また、何かに集中していると周囲の音が耳に届かなくなる。それなら直接タツキの自宅に行った方が早く、それに聞きたいことがあった。これで、友人と会うまでの予定が決まった。ソラは溜息を付くと、タオルを抱え風呂に入ることにする。それは、ひと時の気分転換でもあった。
◇◆◇◆◇◆
ソラと別れた後、イリアはモノレールに乗り研究所に向かった。研究所は銀河連邦の管轄というだけあって、様々な研究が行われている。イリアが通っている部署は主に「未知の惑星で発見された生物の研究」が研究内容であり、それに比例して優秀な人材が集まっている。