エターナル・フロンティア~前編~

「理想の人が、見付かるといいわね」

「そうだね。本当に……」

 そのように言ったところで、彼等と付き合ってくれる物好きはいない。皆、自分達の前から離れていく。

 それなら、イリアはどうか――

 今は、普通に付き合っている。

 しかし、遠い未来はわからない。

「いるわよ、絶対」

 先程より、力を込め抱き締める。このまま放したら、ソラという存在が消えてしまいそうに思えたからだ。

「タツキ、痛い」

「あ、あら。御免なさいね」

「相変わらず、馬鹿力だね」

「そうよ、鍛えているから。凄いでしょ?」

「うん。凄いよ」

「本当にソラ君って、正直で可愛い」

「だから、痛いって」

 おかしな雰囲気を感じ取ったのか、マロンタツキに抗議するように鳴く。ソラはそんなマロンの頭を撫でると、落ち着くように言う。しかしマロンは落ち着くことはなく、それだけソラのことが好きらしい。

 マロンの行為にタツキは苦笑いを浮かべるとソラの為に紅茶を淹れ、気分が落ち着くからと飲むように勧めてくる。一口紅茶を含むと、ほろ苦い味が口の中に広がっていく。だがその苦味が、死を急いでいるということを教えてくれた。しかし、気分は落ち着くことはない。

「オレ達って、どういう存在なんだろう」

「難しい質問ね。アタシが思うところ、貴方達は特別な存在だと思うわ。一般の人間が用いることができない力を、持っているのだから。それは、とても凄いことよ。これは、人間の進化の過程で得た力。そう思えたらいいのだけど、それは無理。それによって、ソラ君達は……」

「タツキは、悪くはないよ。それにこうなったのは、今にはじまったことではない。昔からそうだ」

「……悲しいわ」

 ソラの言葉が示すように、能力者に向けられる冷たい視線は昔から存在した。その訳は、とても簡単な内容。つまり「恐ろしいから」ただ、それだけの理由。恐ろしいというのなら、この世の中には他にも様々なモノが存在する。だが、人間は姿形が同じ生き物を嫌った。
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