エターナル・フロンティア~前編~

「いいじゃないか」

「お前らしい」

「それが、俺の性格だからな」

「そのくらいは、わかっているよ。お前との付き合いは、長いからね。大体の性格は、把握しているよ」

 言葉と同時にソラは立てかけてあったメニュー表を手に取り、どの料理を食べようかと選んでいく。彼は胃に溜まるような料理は好んで食べず、どちらかというと簡単に食べることのできる料理を好むので、それに適した料理を選ぶとウエイターを呼び、その料理を注文を行なう。

 一通り注文をし終えると、中断していた会話を再開する。するとカディオが、ある日の出来事について質問を投げ掛けてきた。それは互いの仕事が関係しており、急に暗い話に変化する。

「この前の任務、どうだった?」

「大変では、なかったよ。あれは警察がシッカリと警備をしていれば、起こらなかった事件だと思う」

「手厳しいな」

「そうでもないよ。事実を言っただけだし。それにしても、最近似たような事件多いと思わないか?」

「何かが起こる……そう言いたいのか?」

「そう考えるしか、説明がつかない」

「難しい話は、苦手だ。こういうことは任せる。頭を使う問題を、体力派の人間に質問するのが間違っている」

 カディオは声を上げ笑うと、並べられて料理に手を付ける。それはボリュームたっぷりの肉料理で、相変わらずの大食漢とも取れる豪快な食べっぷりにソラは苦笑いを浮かべていた。

 これらの料理は現在支流となっている自動調理ではなく、店主が作っている。ひとつひとつ手作りされた料理は懐かしの味と言ってよいだろう、この店が繁盛している影にはこのような理由も隠されている。また経営している老夫婦の人柄も良く、暖かい持て成し――それが多くの客を呼ぶ。

「お前らしいな」

「お互い様だ」

「それはさて置き、最近どうなっているんだ?」

 ふと、カディオは的外れの質問をしてくる。どうなっていると聞かれたところで、全く検討がつかない。カディオの質問の意図が掴めないらしく腕を組み悩んでいると、質問の意味を改めて言った。その質問はソラを驚かせ、同時に顔を引き攣らせることとなってしまう。
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