ラズベリー


何故こんなことになったのかなんて分からない。

そして俺に出来ることがあるとも思えない。


薬品の匂いが痛みと同じくらい漂う。


力強く抱きしめる。


「心配しなくていい、
泣けばいい。」

「な、何言い出すんですか?」


困惑する私。

優輝は頭を撫でてくれている。


「ゆっくりしな。」

「…うん。」


緊張の糸が解けたように涙が目に溜まっている。


「頑張ったな。」

「うっ…うん。」


優輝のぬくもりは温かかった。


何かに触れることが心地よかった。


そういって、優輝の肩に身をゆだねた。


大粒の涙が頬を滑り落ちていった。




次の日も変わらずにイジメを受けていた。


美怜はあの後優輝に全てを話した。

優輝はこのことを告白すると言っていたが、黙っているように言った。


今日はさらにエスカレートしている。

< 161 / 222 >

この作品をシェア

pagetop