ロスト・クロニクル~前編~

 周囲から掘り返した跡がわからないかどうか確かめる為に数歩下がり、まじまじと観察する。

 枯葉のお陰で、マルガリータの墓は周囲と同化していた。

 そのことにエイルは大きく頷くと、その場を後にした。


◇◆◇◆◇◆



 その後、魔導研究会はどうなったのか――

 残念ながら、今もって健在である。

 新人君の話を聞いた面々であったが「総帥の仇」とばかりに、日々魔法の研究をしているという。

 あの件で解散すると思われていたが、流石ラルフが作った研究会しぶといという言葉が似合う。

 無論、例の新人君は脱会した。

 そしてこっそりとファンクラブを作ろうとしていたがエイルに見つかり、それが現実になることはなかった。

 しかし、裏でファンクラブが作られたという噂も存在する。

 そして今日も、エイルを追っかける研究会の姿があった。

 一方ラルフは、エイルにかけられた関節技が元で暫く寝台に横になっていたという。

 だが人間離れした生命力により奇跡的に復活を果し、マルガリータ二号の研究をしているという。

 それ以外は、メルダースは平和だった。


< 164 / 607 >

この作品をシェア

pagetop