不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「イケた?」


昨日なに食べた?、みたいな普通のトーンで話す沙耶に、私だけがあたふたする。


「ちょ、声大きいって」


ここは女子大。いくら女の子ばかりだとはいえ、さすがに周囲の視線が気になる。

私はできるだけ声をひそめて言う。


「イクとかどうとか……あれがそうなのか、自分でもよくわかんない」

「なるほど。じゃ、私が判断してあげる。ほらほら、なんでも話してみ? で、どんなだったの?」

「どんなって……。一緒にお風呂……入って……」

「マジで? いきなり?」

私も酔っぱらってたから、いつもより大胆だったかもしれない。

だって、元彼とすらお風呂なんて一緒に入ったことないのに。


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