不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
* * *
家に着いてすぐに、バスルームへ直行した。
レバーを勢いよく上げて、頭から熱いシャワーを浴びる。
「……ック……」
水音に混じって響く嗚咽。
やっと思いっきり泣けた。家に着くまでずっと我慢してたから。
張りつめていた感情の糸がプツンと切れたのか、子供みたいに声をあげて泣きじゃくった。
胸が痙攣を起こしたみたいに、ヒクヒクと上下する。
自分で決めたことなのに、もう後悔してる。
別れてからまだ1時間も経っていないのに。
それなのに、もう卓巳君が恋しくなってる。