不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
そして旅立ちの日、花は初めて王子に本音を打ち明ける。


「あたくし愚かでしたわ。今までわがままばかり言ってごめんなさい。どうかおしあわせになって」


いつもとちがってしおらしい花の態度に王子は戸惑う。けれど、どこまでも意地っぱりな花は王子に言った。


「あたくしなら大丈夫。覆いなんてなくても平気ですわ。風に吹かれたって、虫が寄ってこようがかまいませんわ。だってあたくしは花なんですもの。大きな獣がやってきたら、このトゲで追っ払ってやります。さぁ、だから、もうあなたはさっさと行っておしまいになって!」


それは花の精一杯の強がり。泣き顔を見られたくなかったがための。

もちろんそれは本心ではない。

だけど小さな王子には、まだそのことが理解できなかった。


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