不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
2年前のクリスマスイブ。

オレは、まだちゃんと付き合ってるわけでもない彼女に、勢いでプロポーズをした。

その気持ちはウソではなかったし、後悔もしていない。

だけど、今のオレからすれば、あの頃のオレはやっぱ若かったし、考えが浅かったな、とも思う。


オレは彼女を大切に思ってる。きっと彼女もそう。

だけど、それと同じように、彼女には他にも大切にしているものがある。

家族、そして自分の夢。

オレだって今は仕事のことで頭がいっぱいで、正直、あまり心に余裕があるとは言えない。

だから、結婚とかそういうのはまだ、今のタイミングじゃないって思うんだ。

だけどいつかもう一度オレはプロポーズすると思う。


「じゃね」


萌香がドアを開け、部屋を出ていこうとする。


「あ。待って」


オレはドアに手をかけ、彼女をひきとめる。


「やっぱ、駅まで送る」


といっても、すぐそこなんだけどさ。

オレの言葉に彼女は安心したようにふわりと笑った。


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