不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
私は食器棚を開けて、プラスチック容器を取り出す。


「ねぇちゃん?」


そばでキョトンとする敦に声をかける。


「ひとりで夕飯食べられる? 私、ちょっと出かけてくるから」

「は? 今から? どこいくの?」

「ちょっと……友達んとこ。すぐ帰ってくるし」


“彼氏”と言えない自分が虚しいな。


プラスチック容器に、おかずを詰める。

ごはんは握って、梅干と昆布のおむすびにした。

そして、デザートのりんごは別の容器に入れた。


「じゃ、ちゃんと戸締まり気をつけてね! 誰か来ても入れちゃダメだからね!」


しつこいぐらい敦に注意をして、家を飛び出した。

外は雪が降りだしそうなぐらい寒い。

急いで出てきたからマフラーしてくるの忘れちゃった。

コートの襟をたぐり寄せて、首をすくめる。

自分でも信じられないことしてる。

こんな大胆なことしちゃうなんて。

だけど、もうどうにも止まらなかった私は、卓巳君にちゃんとしたご飯を食べてもらいたくて、ただただ彼のもとへ向かった。


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