不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
入口付近に突っ立ったままの私。

部屋を出て行く彼女達とすれ違う時、チラチラとこちらを見る、痛いぐらいの視線を感じた。


「じゃあね、関口―」


去っていく彼女達の方から、甘い香水の香りと、囁き声がする。


「クスッ……あの子が……」
「萌香ちゃんだってさ……」
「ああ、例の……」


なによ、なによ、なによ……。
なんか感じ悪い……。

なんだかこの場にいづらくて、泣きそうになってきた。


「とりあえず、ちゃんと中、入んなよ」


いつの間にか近くに来ていた卓巳君が、私の背後のドアをパタンと閉めた。


「あのっ、急にごめんね」

「いや、来てくれてうれしいよ」


卓巳君はニッコリ微笑むと、私の肩に手を回して部屋の奥へと誘導した。

不覚にも、そんな動作にまたドキドキしてしまう。


「オレも会いたかったし。以心伝心……みたいな?」


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