不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「あ、そだ」


別の女の子が、帰ろうとした足を止めて、卓巳君のほうへ向き直った。


「これ、和美(かずみ)から預かってきたんだった」


そう言って、手にしていた紙袋を卓巳君に差し出す。


「関口、この前、これ和美の部屋に忘れたでしょ? 『ちゃんと洗濯してアイロンかけといたから』って言ってたよ?」


卓巳君は紙袋を覗きこむと「おおっ。サンキュ」とちょっとはずかしそうに苦笑いしていた。


和美さんって、誰だろう?

ふたりの会話の様子から、紙袋の中身は洋服なのだと想像できる。

そして、服を部屋に置いていくような、卓巳君と和美さんはそんな関係なのかな。

考えたくないけど。

ひょっとして、本命の彼女……?


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