不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
くそぉ。
みんなしてバカにして。


――カチッ、カチッ。

その時、すぐそばで金属音が響いた。

見ると、隣に座っている男の子がオイルライターの蓋を開けたり閉じたりしている。

私の視線に気づいた彼は手を止め、タバコに火をつけた。

そして口からふぅと煙を吐きだすと、私の顔を覗きこんできた。


「それってさ。たんに男が下手なんじゃねーの?」

「おおっ! すげーこと言うなぁ。さすが卓巳(たくみ)!」


卓巳と呼ばれた彼は、さらに顔を寄せ、挑発的に言う。


「オレ、気持ちよくさせる自信あるよ?」


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