レンタルな関係。

「麻紀…ありがたいんだけどさ」


「唯衣、いくらあたしでもこれだけってことはないわよ。これさ、彼氏がパチンコで取ってきたのよ」


「は?」


「あたしの部屋に持って帰ってきたんだけどさ、でかすぎるし。里親になってやって。それにあんた、結構ぬいぐるみ好きでしょ」


「す、好きだけどさ。っていうか、里親って」


「あたしもたまに会いに行くから」


 
まったく。

 
まあ、仕方ない。これが麻紀だ。



「麻紀って名前つけようかな」


「それはやめて」


 
と、カエルを床に座らせた麻紀は、バッグの中をあさりはじめた。

 
取り出したのは、今度は小さな箱の包み。



「はい、これも」


「え、いいの?」


「もちろんじゃない。これはちゃんとあたしが選んだプレゼントよ」


 
受け取って。

 
開いてみると…



「ま、麻紀…」


「可愛いでしょ?」


「か、可愛い、っていうか…どういう意味?」


 
現れたのは、真っピンクでテカテカ光沢の黒レース付のブラジャー。

 
と。

 
同じ色をしたショーツ…は、ひもパンで。

 
前も後ろも、やっと隠れるような大きさで。

 
可愛いというより…ヤラシイ…

 
なんだこれ。



「あんたもハタチだからさ、勝負下着の一つや二つ、持ってたほうがいいわよ」


「勝負下着って」


「気にいった?」


「…うん。ありがと、麻紀」


 
あは、あははは。

 
麻紀…

 
あたしゃ、あんたのタンスの引き出しの中をのぞいてみたいよ。


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