無口な上司の甘い罠
2人きりの時に、何かあったのか。

はたまた、どちらかが告白して、そう言う関係になったのか?

…まさか、オレの考えすぎなのか?


…どれが正解にしろ、最初の二つは、オレにとって不利でしかなかった。

今度こそは、今日子をこの手に捕まえたかった。

…あの時、酔った勢いでも、泣きながら、オレに抱きついた今日子を、

もう一度この腕の中に。


そんな想いだけが、どんどん募っていったある日。

オレは見てしまった。

・・・ありえない二人の姿を。


接待の為に、他社に行っていたオレは、一軒の飲み屋まで行き、

酒を飲むふりをして、ノンアルコールのビールを飲んでいた。

…接待が終わったのは、午後10時。

まだこの時間なら、誰かしら会社にはいるだろう。

そんな事を思いながら、会社へと足を進めた。

…接待前の交わした契約を、パソコンにしっかり残しておきたくて。


営業の部屋の前。

二人の男女が言い合っているようで、中に入っていいのか迷い、

中を覗き込んだ。


…そしてオレは見てしまった。
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