絶体絶命!死のバトル
異空間に入ると、アーテがいた。
だいぶやつれたあたしの顔を、心配そうに見つめていた。
「…大丈夫…じゃ、なさそうですね…。」
そう呟くアーテも、大丈夫そうには思えない表情で…
胸が痛くて仕方なかった。
自分の愛する人が…、
ペンダント越しに見たんだろうけど、人を何人も殺したんだ。
楽しそうに。
にやにやと笑って。
そのショックは、どれほどだろうか。
それを考えると、あたしまで、悲しくなってくるよ。
「アーテこそ……大丈夫……?」
「………えぇ。」
嘘つかないでよ。
強がらなくていいんだよ。
そう言葉をかける余裕も、あたしにはなかった。
強がってくれて、ありがとう。
おかげであたし、ギリギリ自我を保てそうだよ。
アーテの話まで聞いていたら…。
壊れてしまいそうだったから。
異空間では、ただ、沈黙が流れ続けたぢけだった。
あたしも、アーテも、
喋る余裕がなかったから。