絶体絶命!死のバトル


静かな雰囲気のまま、あたし達は解散させられた。

すすり泣き、嗚咽の声に囲まれて、あたしは黙って涙を流し、異空間の入り口へ、ぽつんと一人歩いていた。


…この首取りゲームをはじめて、どれくらいの涙を流したのだろう。


どれくらいの…、


苦しみを、


味わったのだろう。


辛さも、悲しみも、
全て終える事ができるのなら…、


やっぱりあたし、生贄くらい、なってやろう。

全員を救う事はできなくても、
大好きで大切な……、広也達を

幸せに、生きてもらう事ができるのなら。


広也が、目に映る。
あたしは、脱力感と絶望感に耐えられなくて、膝から倒れた。

広也の背中に手を伸ばした。

もう、届かないこの背中に…。

手は宙を舞い、やがて地に落ちた。




「…広也ぁ……。好きっ……だよっ…」


届かない想いを、
広也に向かって呟いた。
その声さえも、嗚咽の声に掻き消されてしまった。



ここで、この想いも消えれば楽なのに。
なんで、辛い恋を選んだんだろう。


…なんで、広也を好きになってしまったのだろう。

ここでまた、


あたしは、涙を流した。


泣き虫なあたし…。
弱いあたしを、誰か


強くしてください。







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