絶体絶命!死のバトル
ドームの中には、相手グループの三名と、広也と明日美がいた。
伊織は…まだ来ていない。
…何故か、ドームの端っこに机とイスのセットがおいてある。
気になるけど…、今はいっか。
「あっ、やっほ、道香。」
「やっほ。伊織は、まだなんだ?」
「うん、多分。そろそろ来るんじゃないかな?」
明日美も、何だか落ち着いてる感じ。
最初ベソベソ泣いてた明日美とは思えないや。
「道香、今日…で、終わるな。」
「うん…。そだね。」
「あのさ、俺らって、もう会わなくなんの?それって、嫌じゃねー?」
“会わなくなる”、か。
まぁ、あたしは…会えなくなるけど、
「…んー、待ち合わせとかしたら会えるでしょ?同じ日本に住んでるんだしさ。」
「だよな!…あ、道香。このゲーム終わらせたら、二人で遊ぼうぜ!」
うん、とは言えなくて、あはは、っと苦笑いで返してしまった。
できることなら、あたしだってそうしたいよ。
広也と明日美と話していると、伊織はその五分後くらいに来た。
「ゲームの時間です。」
放送がなる。
相手チームは、五人。
この広いドームに、九人だけ。
なんか、異様だよね。
「今日は…最終戦です。心の準備はできていますか?思い残すことはありませんね?…まぁ、あったとしてと、ゲームは始まりますが。」
しん…。
全員が、放送の一声一声を、大事に聞いていた。
「…それでは。ゲームを開始します。…はじめっ!」