恋愛禁止(ホラー)
☆☆☆

あたしたちが寮へついたのは19時4分頃だった。


頑張ってここまで走って戻って来たため、息が切れて胸が苦しい。


汗で髪がベッタリと頬にへばりついて、気持ち悪かった。


「少し……遅れたけど……これくらいなら大丈夫だろう……」


はぁはぁと肩で息をしながら竜季が言う。


「うん……」


あたしも、それだけ返事をするのが精いっぱいだ。


そしてそれぞれの寮の玄関を開けようとしたが……。


ガチャガチャと何度もドアノブを回すが、ビクともしない。


それは竜季の方も同じだったらしく、「なんで開かないんだよ」という声が聞こえてきた。

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