恋愛禁止(ホラー)
「ねぇ竜季、もしかして時間に遅れたからカギをかけられたのかな?」


引いても押してもビクともしない玄関に、あたしはそう呟く。


「まさか、たった4分遅れただけだぞ?」


「でも……」


玄関にカギをかけられた理由なんて、そのくらいしか思い浮かばない。


困って立ちつくしていると、竜季がドアをノックし始めた。


「すいません光本です! 今帰ったので開けてくれませんか!?」


ドンドンとノックを繰り返して、中にいるはずの寮の先生に声をかける。


あたしも女子寮のドアをノックして同じように繰り返す。

< 33 / 316 >

この作品をシェア

pagetop