黒の瞳
 ――命がテーマであるこの映画には、盲目のピアニスト・辻井伸行の繊細な楽曲が使われている。優しさと切なさ、そして、確かな強さを感じさせる旋律。そんなメロディーに乗せて、白い妖精が氷の上を舞う。

 人を救うのは、簡単なことではない。医師にしろ、カウンセラーにしろ、毎日色々なことと葛藤しながら、きっと生きているのだろう。時には自分の存在価値さえ見失いながらも、それでも、目の前の誰かに手を差し伸べたくて生きている。冒頭のトリプルフリップ、そして、三連続ジャンプとコンビネーションジャンプは、そんな世界の住人達の心を見せられているようでならなかった。
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