【完】籠球ロマンティック
「マジ不愉快だから部活来んなってか、辞めてくんない?」


「だいたい、前からちょっと巧いからって鼻にかけててさぁ、気に入らなかったのよ!」


「そうそう!あんたがいなくても勝てるし」


次々に飛び交う言葉を受けて、律子の心はゴールへ走るあの時より、ずっと早い速度で凍り付いた。


律子は自分の実力を鼻にかけたこと等勿論無い。


信頼される為に、誰よりも巧くあろうと努力した。彼女等の苦手や得意を全て把握することに努め、自分のワンマンチームにならぬように戦略を立てていた。


しかし、彼女等には律子の努力や勝ちへのあくなき想いは塵ほどにも伝わっていなかった。


あの程度の出来事で、それがあぶり出されてしまったのだ。このチームは、それ程に、細く脆い。


そして律子は思った。


私は、私が服や文房具や漫画やCDを必要なものと不要なものに選別し不要なものを処分するように……


彼女等に『不要なもの』と選別され、処分されるのだ、と。
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