幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


諦めが肝心だと思った。


好きでいても、良いことなんて何もない。

好きでいても、苦しいだけ。



とことん泣こう。

今日だけは…おもいっきり泣こう。


そして…明日になったら笑うんだ。


涼のことを、ただの幼なじみとして。

あたしはまた…見ていくんだ。



「…っ…んっ…」


朝まで涙は止まらなかった。


だけど、カーテンから差し込んだ朝の光に気付いた時…


あたしは窓を開け、外の空気をスーッと吸い込んだ。



「ふぅっ…」



これでおしまいにしよう。


とことん泣いたんだから…リセット完了だ。




バタンとベッドに体を沈めたあたしは、そのままゆっくりと目を閉じた。




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