幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「えっ、そっ、そうだったんだ…」


涼は目がキョロキョロと泳ぎだし、耳が赤くなっている。


泣きながらクスッと笑ったあたしは、そんな涼を見ながら思ったんだ。



ずっと幼なじみだったあたし達。


小さい頃からずっとずっと一緒にいたから…近くにいすぎて気付けなかったのかもしれない。


でも距離が出来たことで…こうして気付けたことがあったんだと思う。


分からなかったたくさんの気持ち。


離れた時は悲しかったけど…だからこそ、こんな今があるように思えるから。



「でもお前、真鍋のことは…」


涼にそう言われ、さっきの教室での真鍋との出来事を話した。


そしてあたしも。

岡崎さんとのことを涼から聞かされた。


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