幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「こんな偶然あるんだね」
「ビックリだよな」
涼とそんな言葉を交わしながら、カメラのレンズを向ける女の人の方を見た。
「じゃあ、撮るよー!」
「お願いしまーす!」
桜の木の下。
去年と同じように涼と並んで写真を撮ってもらう。
「いくよー!」
その時…涼の手がそっとあたしの手を掴み、あたし達はお互いの手をギュッと握りしめた。
「はいっ、チーズ!」
とびきりの笑顔。
繋がれた手。
‘‘あんなふうに手繋いで写真撮ったり歩いてみたいな〜’’
去年、目の前にいるこのふたりを見て思ったことが、現実になった。
涼が…叶えてくれた。