7つの願い石~願いの叶うその日まで~
春風があたしを優しく包み込む。






「…あれ、今日は先客がいるじゃん」


声のする方を見てみれば屋上のドアのところに人が立っていた。



その人…っていうか、彼は「めずらしい」などと言いながらあたしのいる方へ向かって歩いてくる。




彼の顔はまだはっきりとは見えない。


そお考えている間にも彼は近づいてきている。



寝転んでいたあたしも起き上がって彼と視線を交わす。




「隣に座ってもいい?」

「…どうど」



別にあたしの場所ってわけじゃないんだからそんなこと聞かずに座ればいいのに、と内心思っていた。


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