180゜の世界
目をあけると、そこは真っ白な天井。

初めに来た時のよう。







「どうして・・・。あれ、リハビリ・・・
リハビリ!しなきゃ!!」

私は体を起そうとしたが、すぐに気が抜けて、ベットに倒れこんだ。


「大丈夫か?・・・落ちつけ、俺だ。」

目の前には冷や汗をかいた、忍がいた。
私は、なぜか安心して力が抜けた。



「私・・・どうしちゃったのかな?」

ふふっと力のない微笑みを浮かべると、
忍は私の顔をじっと見つめた。


「赤松さんから、しばらく休養を取るように、だって。
俺も、そうした方がいいと思う。

焦らなくてもいい。ゆっくり、治していけばいい。


俺はずっと、ついてるから。」


忍は私の頭をぽんぽんと撫でた。

私は、なんだか情けなかった。



リハビリ一つで大勢の人に迷惑をかけて。
何回も倒れて。

それでも、まだ歩けなくて・・・。




自分が情けない、弱い。



「莉亜!」

一瞬、頬に鋭い痛みが感じた。
忍が私に、平手打ちをした。


「情けないって思った?
弱いって思った?

・・・ふざけんな。
俺だって、誰だって、お前みたいな目にあったら挫ける、挫折する。


それもいつまでも抱え込んでたららちが明かない。


吐き出せ、思いっきり叫べ。」

すると、忍は私の頭をすっぽりと隠した。


「っぅぅぅ・・・。」


忍の体に、私の思いをぶつけた。
< 20 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop