*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語







心地よい温もりに包まれて、深い眠りについていた沙霧は、またも雪垂の音で目覚めた。




腕に重みと痺れを感じ、視線を動かす。






「……………あ」






沙霧の腕の中で、泡雪が犬のように身体を丸めて眠っていた。





艶めく真っ白な髪が、扇のように床に広がっている。




伏せられた密な睫毛は、髪と同じく真っ白に透き通っており、そして驚くほど豊かで長かった。





まだ眠りから覚めきっていない沙霧は、つくりもののように整った白い相貌をぼんやりと見つめていた。






(………不思議なものだなぁ)






ぼーっと考えていると、泡雪がかすかに身じろぎをした。




その途端にはっと我に返り、今の状況を考えて慌てる。






(―――――えっ。



な………なんだ、この体勢は…………)








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