*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
沙霧が硬直している間に、泡雪は身体を密着させてきた。





すると、藁の中が、ほんのりと温まってくるのが感じられた。






沙霧は驚いて泡雪を見た。




泡雪は何も言わず、ただ沙霧の傍らに身体を横たえている。






その琥珀色の瞳を見つめているうちに、沙霧は身体の芯から体温が上がってくるのを感じた。







「ーーーーーあたたかい………」





「……………」






独りごとのように呟くと、泡雪が少し目を細めたような気がした。






泡雪はきゅっと口を閉じたまま、さらに身を寄せてくる。




泡雪の身体は、発熱しているように温かかった。






そして、ほっそりとした腕がおもむろに伸びてきて、沙霧の首に回される。





そのまま、柔らかい力で引き寄せられた。






「…………泡雪………」






泡雪に抱き寄せられると、急速に温かさが増した。






「…………あぁ、あたたかい………」







沙霧はゆっくりを瞼を下ろし、その温もりに素直に包まれた。









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