もしも君と恋ができたら
トイレから出ると急いで適当なお菓子をいくつか買い、車に戻った。
「随分かかったな」
袋を抱えて助手席に乗り込んだわたしにしょうくんが言う。
わたしはなるべく平常心を務めて肩を竦めてみせた。
「お菓子、どれにするか迷っちゃって」
「変わらないな」
しょうくんがふっと笑った。
その笑顔にわたしは瞬きをして、適当に選んだお菓子に視線を落とす。
「……」
そう、わたしは昔と変わらない。
苦手なものも、好きなものも、優柔不断なところも……
しょうくんのことを、未だに好きな気持ちも。
「うん」
喉の奥に感じた苦しいものを誤魔化すように笑って、ポテトチップの袋を開ける。
そんなわたしにちらりと視線を送ってから、しょうくんは車を発進させた。
静かな車内に、わたしのポテトチップを噛み砕く音が響く。
どうして音楽かけてくれないんだろう。
話さないんだから、かけてもいいのに。
ちょっとだけ恥ずかしく感じながら、ゆっくり口を動かした。
食べながら、運転するしょうくんを気づかれないように盗み見る。