もしも君と恋ができたら


小さい頃のしょうくんとは全然違う。

少し面影は残っているけれど、肩幅や眼差し、手の大きさとか、すごく変わった。


好きになったあの頃とは違うのに、どうしようもなく惹かれる。


素敵だなぁって、思う。


しょうくんの彼女は、どんなに幸せだろう。



もし、わたしが



しょうくんの恋人だったら……



そんなことを思っているうちに、いつのまにか盗み見程度ではなくなっていたらしい。


視線に気づいたしょうくんと目があって、はっとして目を逸らす。

顔が熱くなるのをごまかすように、ポテトチップを食べ続けた。



食べるのをやめてしまったらやることがないのが怖くて、高速を降りてもわたしはまだ食べていた。


しばらく進んだところで赤信号に捕まり、しょうくんがわたしのほうに顔を向けた。

と思ったら、こっちに体を乗り出してきた。


戸惑いながら彼を見ると、しょうくんは口を開けた。


「ちょうだい」


「え?」


「手、離せないから」


「……」


赤信号じゃん、ちょっとくらい手離せるじゃん。


でも確かに、汚れた手でハンドル握るのは嫌だろうし……


口を開けたままのしょうくんを見て、胸がどきどきするのを感じた。



わたしのばか。



ちょっとの間目を泳がせた挙句、ポテトチップを一枚とった。

意を決してしょうくんの口に運び、くわえさせる。


「……!」


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