もしも君と恋ができたら
しょうくんの手がわたしのほうへと伸ばされる。
胸が高鳴ったのも束の間、しょうくんはわたしの髪からそっと何かをつまみあげ、離れて行った。
「葉っぱ、ついてた」
「あ……」
風が運んできたらしい葉っぱを、しょうくんは外へ捨てると窓を閉めた。
鳥の囀りや風の音、遠くを走る電車の音が遮断された。
窓を閉めるだけで、静けさはこんなにも違うものだったろうか。
この部屋と外の世界が遠く離れてしまったように感じる。
「……」
しょうくんはその場を動かず、何か考え込むようにじっとわたしを見つめている。
その視線のせいで、わたしの心は落ち着かない。
「……な、何?」
そう尋ねると、しょうくんはいや、と首を横に振った。
「なんでもない……荷物どうする? 少し開けてく?」
「あ、それじゃあ、開けられるやつだけ開けようかな」
「どれ扱っていい?」
「うーん、本」
「わかった」