もしも君と恋ができたら


しょうくんの手がわたしのほうへと伸ばされる。


胸が高鳴ったのも束の間、しょうくんはわたしの髪からそっと何かをつまみあげ、離れて行った。


「葉っぱ、ついてた」


「あ……」


風が運んできたらしい葉っぱを、しょうくんは外へ捨てると窓を閉めた。


鳥の囀りや風の音、遠くを走る電車の音が遮断された。

窓を閉めるだけで、静けさはこんなにも違うものだったろうか。


この部屋と外の世界が遠く離れてしまったように感じる。


「……」


しょうくんはその場を動かず、何か考え込むようにじっとわたしを見つめている。

その視線のせいで、わたしの心は落ち着かない。


「……な、何?」


そう尋ねると、しょうくんはいや、と首を横に振った。


「なんでもない……荷物どうする? 少し開けてく?」


「あ、それじゃあ、開けられるやつだけ開けようかな」


「どれ扱っていい?」


「うーん、本」


「わかった」


< 15 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop