もしも君と恋ができたら
「何それ」
「なんでもないです。気にしないで本を読んで」
「何で敬語? そうやって隠されると、ますます気になるんだけど?」
そう言って、しょうくんは笑った。
まずい。
その笑顔に嫌な予感を覚えて、わたしは後ろへ下がった。
完全におもしろがっている。
今までにこういう顔をしたときのしょうくんから逃げられた試しはない。
この写真だけは、見られるわけにはいかないのに。
「お願い、今回だけは見逃して……っ、きゃあ!」
うまく逃げたつもりだったのに、一瞬で写真を持っているほうの腕をとられてしまった。
腕を掴まれたまま引き寄せられ、写真は無情にも彼の手に渡る。
取り返そうとするわたしをものともせず、しょうくんはくしゃくしゃになった写真を開いてしまった。
開いた写真を見て、しょうくんは目を見開く。
「これ……」
「……」
こっちを見てくるしょうくんの視線から逃れるために、俯いた。
どんどん頬に熱が集まっていくのを感じて泣きたくなる。
どうしよう。
なんて言えばいいの。