もしも君と恋ができたら
わたしの肩が震えていることに気づいたしょうくんが顔を覗き込み、驚いた顔をする。
「何、泣いて……」
「……っ」
こらえきれなくなった涙が、あとからあとからあふれ出る。
我慢できなくなって、しょうくんに抱きつくと、懐かしい香りがわたしを包んだ。
しょうくんは拒絶することなく、わたしの体にゆっくり腕をまわして引き寄せた。
そしてわたしの耳元で小さく息を吐く。
「俺、嫌われたのかと思ってた」
ぴくりと反応したわたしを抑え込むように、しょうくんが腕に力を込める。
「高校入ってからあまり会うことなかったってのもあるけど、お前、いつのまにか俺のこと避けるようになってて」
「それ、は」
「でも今はそうじゃないって思ってもいい?」
そっと顔をあげると、しょうくんの優しい瞳とぶつかった。
その瞳にまた涙がこぼれそうになり、しょうくんの服をきゅっと握りしめた。
そうだ。
しょうくんが遠くなったような気がしていたけど、
勝手に遠ざかっていたのはわたしのほうだったんだ。
「……うん」
こくりと頷くと、しょうくんは満足そうに笑ってまたわたしの髪を撫でた。
彼に触れられるたび、わたしの中は幸せでいっぱいになる。
「きれいになったよな。玄関で会ったとき、少し焦った」
「……しょうくんもかっこよくなってたから、びっくりした」