もしも君と恋ができたら
正直に口に出してみたけど少し照れくさい。
「だろ?」
そう言っておどけるしょうくんに小さいときの彼が重なる。
思わず笑みを浮かべると、しょうくんもふっと笑い、それから真剣な表情に変わった。
「避けられるようになってから気づいたんだ。俺はあかりのことが好きなんだって。それからも他の子と付き合ったりしたけど、やっぱり……」
しょうくんの手が、指が、わたしの髪に 触れる。
昔とは違う触れ方に、胸の奥がきゅっとなる。
「いい匂い、する」
わたしの髪を一房手にとって、王子様みたいにキスを落とす。
「俺、ずっと思ってた。もしあかりと恋人になれたら、幸せだろうなって」
しょうくんの顔を見上げる。
いつの間にこんなに男の人になっちゃったんだろう。
変わっていくことが怖かった。
だけど今は、怖いとは思わない。
だってこれからは、きっと一緒にいられる。
もうあの頃には戻ることはできないけど、あの頃ではなくて、これからを一緒につくっていきたい。
これからのあなたを、わたしでいっぱいにしてみせるから。
「しょうくん……省吾」
決意を込めて、名前を呼んで見つめると、彼は甘い眼差しでわたしを包んでくれた。
胸がきゅっと甘く疼く。
こうなることを夢みてた。
ずっと、ずっと。
距離が近づいていくのを感じながら、そっと目を閉じた。


