幼なじみにわたしの生死がかかってる件

そうなのねそういうことなのねフフフと投げやりな笑みを口に浮かべていると


「あ、ああ。佐原か。佐原ミウの妹の。もうチャイム鳴るから入りなさい。中野も自分のクラスに戻りなさい。」


ポケットから取り出したハンカチで汗を拭いながら先生はさらりと言った。


それはなんの悪意も込められていない、本当に口から滑り落ちたみたいな言葉だった。


そう、自然に。
自然に、わたしの名前は‘コウ’ではなくて‘佐原ミウの妹’になってしまうの。


無意識の言葉、視線、それこそが容赦なくわたしを痛めつける。


好奇の目に曝され続ける本当の理由はスイが密かな人気者だからーなんてことではない。


双子の姉、佐原ミウの存在だ。

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