幼なじみにわたしの生死がかかってる件

ところで、わたしには世界で一番嫌いな光景というものがある。

ズバリ“コウから離れていくスイの背中”だ。


スイの背中は何にも代えがたい大好きなものなのに、離れていくっていう条件がついただけで真反対の感情を動かしてしまう。


つくづく愛とは恐ろしいものである。


そんなわけで、わたしはスイを玄関まで見送ることはせずに部屋でばいばいした。


階下で玄関の重たい扉が閉まる音がして、それはまさにわたしが独りぼっちになった音だと思った。


いつの日か、スイとこんな暮らしができなくなって本当にお別れをしなくちゃならなくなった時、やっぱりこんな音がするのかな。


『……。』


ぐるりと一周回って部屋を見回す。
ここは明らかにスイの部屋で、何もかもがいつも通りなのに、つまらないものに見えてくる。


自分が今どれくらい冷めた目をしてるか想像がついて怖くなった。


スイがいるかいないかでわたしの世界が劇的に変わってしまう。
依存って、こういうことだ。

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