True Love
日曜日の朝5時、アラームが鳴るよりも2時間早くに目が覚めてしまった。
「まだ、暗い…」
10月半ば、この時期のこの時間帯の外はもちろん明るくはない。朝日がないと活動的な気分にはなれないけれど、かと言ってもう一度眠るということはできそうになかった。
その理由はただひとつ、緊張のせいだ。
掛け布団の裾を握りしめて足をバタバタさせる。
「どうしよう、日曜日が来ちゃったよー…!」
みんなで花火大会には行ったことはあるけど、柴崎くんとふたりきりで休みの日に出かけるなんて私にはハードルが高すぎる。もちろんうれしい気持ちの方が勝つけれど、どうしていいのかわからない。
知られたくなさそうだったから杏ちゃんにも誰にも相談をすることができなかった。
まず、男の子とふたりで出かけること自体初めてなのに…。
ベッドの上でうじうじすること30分、こんなことをしていても無駄だと思ってようやく起き上がる。
「……やっぱり、もうちょっとかわいい服を着た方がいいかな」
壁のレールフックに掛けてある昨日の夜に悩みながらコーディネートした服を見てそう呟く。
少しでも柴崎くんの目によく映りたい。彼の好みを知らない私には正解なんてわからないけれど。
クローゼットを開けてもう一度コーディネートを考え直す。
6時半になる少し前、やっと納得のいくコーディネートができて満足感を得ながら顔を洗いに1階へ降りる。
「あら、日曜日なのに早いわね」
顔を洗って着替えようと階段を上がろうとすると、ちょうどお母さんが降りた。
「おはよう、目が覚めちゃって…」
「そう。朝ごはん、今から作るからちょっと待っててね」
「うん」
そして着替えを済ませてからリビングに戻るころにはすでに朝食の支度が始まっていた。
「随分とオシャレしてるわね。今日はお出かけするの?」
「うん、クラスの子とね」
悪いことをしているわけではないのにドキッとしてしまう。
「そうなの。じゃあ、ちょうどいいわね。お父さんは今日休日出勤だし、私もお昼からお隣の奥さんとお出かけする予定だったから」
トーストが焼ける香ばしい香りがしてくる。
「お母さん、夕食の時間までには帰ってくる予定だけど、家の鍵を忘れないように持って行っておいてね」
「はーい」
「まだ、暗い…」
10月半ば、この時期のこの時間帯の外はもちろん明るくはない。朝日がないと活動的な気分にはなれないけれど、かと言ってもう一度眠るということはできそうになかった。
その理由はただひとつ、緊張のせいだ。
掛け布団の裾を握りしめて足をバタバタさせる。
「どうしよう、日曜日が来ちゃったよー…!」
みんなで花火大会には行ったことはあるけど、柴崎くんとふたりきりで休みの日に出かけるなんて私にはハードルが高すぎる。もちろんうれしい気持ちの方が勝つけれど、どうしていいのかわからない。
知られたくなさそうだったから杏ちゃんにも誰にも相談をすることができなかった。
まず、男の子とふたりで出かけること自体初めてなのに…。
ベッドの上でうじうじすること30分、こんなことをしていても無駄だと思ってようやく起き上がる。
「……やっぱり、もうちょっとかわいい服を着た方がいいかな」
壁のレールフックに掛けてある昨日の夜に悩みながらコーディネートした服を見てそう呟く。
少しでも柴崎くんの目によく映りたい。彼の好みを知らない私には正解なんてわからないけれど。
クローゼットを開けてもう一度コーディネートを考え直す。
6時半になる少し前、やっと納得のいくコーディネートができて満足感を得ながら顔を洗いに1階へ降りる。
「あら、日曜日なのに早いわね」
顔を洗って着替えようと階段を上がろうとすると、ちょうどお母さんが降りた。
「おはよう、目が覚めちゃって…」
「そう。朝ごはん、今から作るからちょっと待っててね」
「うん」
そして着替えを済ませてからリビングに戻るころにはすでに朝食の支度が始まっていた。
「随分とオシャレしてるわね。今日はお出かけするの?」
「うん、クラスの子とね」
悪いことをしているわけではないのにドキッとしてしまう。
「そうなの。じゃあ、ちょうどいいわね。お父さんは今日休日出勤だし、私もお昼からお隣の奥さんとお出かけする予定だったから」
トーストが焼ける香ばしい香りがしてくる。
「お母さん、夕食の時間までには帰ってくる予定だけど、家の鍵を忘れないように持って行っておいてね」
「はーい」