True Love
あの公園、ミルクと出会ったあの日の公園までは家から歩いて15分とかからない。だけど私はなんだか家にいても落ち着かないので9時半前には家を出てしまった。
公園に着いた時の時刻は9時38分、待ち合わせまで時間はあるけれどもあと22分すれば柴崎くんがやって来る。
落ち着かないから早くに家を出てしまったというのに、待ち合わせ場所に着いても落ち着けない。むしろ緊張感が増してしまう。友達との待ち合わせにはない、初めて味わう好きな人との待ち合わせのドキドキ感。
なんだろう、この感覚。苦しいくらいドキドキするのに、幸せだなあ。
「ごめん、待たせた」
ベンチに腰を掛けてボーっと空を眺めて気持ちを落ち着かせていると柴崎くんがやって来た。慌てて時計を見る。
「え、まだ待ち合わせより15分もあるよ!?」
予想外にも彼の到着が早いので驚いてしまう。私の反応がおかしかったのか、彼は笑い出した。
「そうだな。でも桐山だって待ち合わせまでまだ時間あるのに先に来てるじゃん」
「…あ、確かに」
人があと一人余裕で座れるくらいの間隔を空けて柴崎くんが私の隣に腰を掛ける。
「…今日は、何の買い物なんでしょうか?」
「ああ、えっと…誕生日プレゼントを買いたくて、姉貴の」
「柴崎くん、お姉さんがいたんだ!」
そういえば柴崎くんの家族構成とか聞いたことなかった。
「うん。高1なんだけどさ、女物のプレゼントとか何がいいのかわからねえっていうか…?桐山なら…何かいいアドバイスもらえそうとか、思ったりして?」
柴崎くんの口調はなんだか落ち着きがないというか、ぎこちないものだった。
「へえ、これまでは何をあげてたの?」
「…今回が初めて」
公園に着いた時の時刻は9時38分、待ち合わせまで時間はあるけれどもあと22分すれば柴崎くんがやって来る。
落ち着かないから早くに家を出てしまったというのに、待ち合わせ場所に着いても落ち着けない。むしろ緊張感が増してしまう。友達との待ち合わせにはない、初めて味わう好きな人との待ち合わせのドキドキ感。
なんだろう、この感覚。苦しいくらいドキドキするのに、幸せだなあ。
「ごめん、待たせた」
ベンチに腰を掛けてボーっと空を眺めて気持ちを落ち着かせていると柴崎くんがやって来た。慌てて時計を見る。
「え、まだ待ち合わせより15分もあるよ!?」
予想外にも彼の到着が早いので驚いてしまう。私の反応がおかしかったのか、彼は笑い出した。
「そうだな。でも桐山だって待ち合わせまでまだ時間あるのに先に来てるじゃん」
「…あ、確かに」
人があと一人余裕で座れるくらいの間隔を空けて柴崎くんが私の隣に腰を掛ける。
「…今日は、何の買い物なんでしょうか?」
「ああ、えっと…誕生日プレゼントを買いたくて、姉貴の」
「柴崎くん、お姉さんがいたんだ!」
そういえば柴崎くんの家族構成とか聞いたことなかった。
「うん。高1なんだけどさ、女物のプレゼントとか何がいいのかわからねえっていうか…?桐山なら…何かいいアドバイスもらえそうとか、思ったりして?」
柴崎くんの口調はなんだか落ち着きがないというか、ぎこちないものだった。
「へえ、これまでは何をあげてたの?」
「…今回が初めて」