クローバーの起こしたキセキ





〜桜井麻美said〜




「海原君!!」




私はノックする時間も惜しく、思いっきり扉を開けた。
そこには海原君のお母さんも一緒に居た。
でも、海原君のお母さんが目に入らないほど、私は興奮していた。




「海原君、海原君の言った言葉、違う」




「・・・・・俺の言った何が違うのかもう少し具体的に言ってくれないか?」




「みんな海原君がいなくなってさみしがってた、喜んでなんかないよ。
海原君だって私たちのクラスメイトなんだから、お別れ、ちゃんと言お?」




私のこの言葉に被せるように海原君のお母さんも言った。




「麻美ちゃん、私も今辰也にそうしたらって説得してたとこなの。
でもみんな俺のことうざがってるからって言って取り合わなかったの。
でも、麻美ちゃんの言葉でもう決まったでしょ、辰也。
お別れぐらいきちんと言って来なさい、きっとみんな喜ぶわ」




海原君の気持ちはわかる。
今まで全員のこと無視していたのに挨拶なんて虫がよすぎる、とでも思って居るんだろう。
みんな絶対そんなこと思ってない。




「海原君、大丈夫。
私も一緒に行くよ。
みんな海原君に挨拶ぐらいしたいと思うだろうし、ううん、したいって思ってる。
私が断言してあげる!」






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