クローバーの起こしたキセキ





〜大谷碧海said〜




「ありがとね。
いつか全部話すから」




こう言って私の心友である麻美はドアの方へ駆けて行った。
前から何か秘密にしてることがあるなとはうすうす気づいてた。
前だって、病気が悪化しちゃうって言ってたから、大方海原が病気ってとこだろう。




麻美の姿が完璧に見えなくなるまで見つめていた視線を外した。
麻美、あんたは海原を助けるつもりなんでしょ?だってあの目をしてたからね。
あの、強い光を宿した瞳。
その瞳の先に居る人たちを助けて来た。
私もその中の一人だからね。




中学生の頃、女子のボスであった奴の彼氏を奪ったとかでいじめられてた。
それは卒業するまで続いた。
誰も気づいてくれなかったし、助けを求める気もなかった。
だってどうせ言ったって、みんな口先だけなんだから。
高校だって本当は来る気なんてなかったんだ。
でも入学式の時に麻美が、友達になろって笑かけてくれたから今の私が居るんだよ。





詳しい事情はわかんないけど、私はこれまでだってこれからだってずっと、麻美の味方だから。





頑張って。
あと帰って来る時には絶対に笑顔で帰って来てよ。
じゃないと怒っちゃうからね。






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