クローバーの起こしたキセキ
「・・・・・行くよ。
俺だって本当は喋りたかった。
こんな体じゃなければって自分に言い訳ばかりしていた。
周りが傷つくから関わらないとか言ってたけど、俺はただ、自分が傷つくのが怖かっただけだったんだ。
もう、逃げねぇ」
「明日、行こうね。
きっと大丈夫だから」
私たちが約束をしているのを見て海原君のお母さんは涙を流した。
「辰也、行って来なさい。
・・・・・悔いを残さないように」
私は海原君のお母さんと海原君にさようならを言い、お母さんのところへ向かう。
コンコン
「お母さん、帰ろっ。
やっとまた一緒に居れるねっ」
海原君と約束できたしお母さんと一緒に居れるということでテンションが上がったせいで、目にした光景にはおそらく普段の倍絶句した。
なんとお母さんと伊藤先生がキスしていた。
「・・・・・オ、オカアサン?オソワレテマス?」
驚きすぎて片言喋りになってしまった。
それほどお母さんと伊藤先生のキスの衝撃が強かったってこと。
「ま、麻美!」
「おや、麻美さん。
こんにちは。
さっきの見てたようですね。
ならば話が早いです。
僕たち結婚します」
お母さんは私がいることに驚いてるし、伊藤先生は驚くこと言ってくるし、私はむっちゃくちゃ驚くし・・・・・。
みんな驚くことばっかだー、あはははは。
・・・・・現実逃避してる場合じゃない。
「えーっと、とりあえずおめでとう。
全然話が見えないけど、お母さんが幸せになれるなら私はなんにも言わないし聞かないから」