クローバーの起こしたキセキ





お母さん、どうしてあんな表情したんだろう?考えても仕方ない、こういう時はとりあえず寝よう!




数分間目を閉じた。
しかし、興奮したせいかちっとも眠くならない。
どーしたもんか・・・・・。
迷ったけど、結局古典的な方法を使うことにした。
その方法はね?




ひつじが一匹、ひつじが二匹・・・・・。




と数えることです、幼稚いかもしれないけど、私はこれでだいたい百まで行くと寝れる。
なんでだろ、体質かなぁ・・・・・?
今更すぎる疑問は置いといて数える。




ひつじが八十七匹、ひつじが八十八匹。
88匹まできてもう寝そう、という時にお母さんがそっと入ってきた。
私は目をつぶっているから起きているとは思ってないみたい。
でも、数え始めたんだから寝る。




ひつじが九十匹、ひつじが九十一匹。



「麻美、ありがとう。
・・・・・ごめんね、嘘ついちゃって。
麻美は優しい子だから」




お母さん、何を言ってるの?嘘って何?
そんな疑問が湧き上がってくるが無意識に数える。
ひつじが九十八匹、ひつじが九十九匹。




「本当は、お父さん、生きてるの」




ひつじが百匹。




お父さん、生きているの




私はその言葉の意味を考えながら、眠りについた。






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