クローバーの起こしたキセキ
えっと、お父さんが生きているって、逝ってないってこと?
軽く寝てから起きてすぐに思ったことはそれだった。
どういうこと?だってお父さんは亡くなったってお母さん言ってたよね。
・・・・・まぁいいや、私が言うことじゃない、お母さんが言うべき時になったら言ってくれるよね。
「お母さん、私起きたよ。
お腹減ったからご飯食べるね」
お母さんがいるのが見えてそう言う。
・・・・・お母さん?
はっきりとは見えなかったから分からないけど、泣いていたような気がする。
だけどこっちを振り返って見た時は、涙なんかどこにもなかった。
私の気のせいだね。
「わかった、ってお母さんが作るんでしょ?その言い方はおかしいわ」
ぷっと頬を膨らませるお母さん。
やっぱり私の気のせいだ。
「あはっ、ばれた。
でも私がお母さんの手伝いをしたら、表現はあってるよね?」
「そうね、あってるわ。
そんなこと言うなら手伝ってくれるんでしょうね〜♪」
お母さんのこの言葉に私は当たり前の答えを返す。
「手伝わないわけがない!」
「よろしくね、小さなシェフさん」