クローバーの起こしたキセキ





あせって聞こえくる海原君の声。
後ろを見なくても表情は分かる。
絶対に焦っている顔だな。




「うっそー、だまされやすいね、海原君は。
じゃ、プロフ書くからちょっと待ってね」




今度は逆に海原君が拗ねたような顔つきになる。
会ったばっかりの頃はあんなに無表情だったのに童君と話してから感情を表に出すようになった。
やっぱり何か言いことでも話し合ったのかな?




「えーっと、好きな色・・・・・緑。
動物はイルカっと。
マイブーム?はもちろんクローバー集め。
・・・・・海原君、これも書かないとダメなの?」




それまで順調だった私の手はその質問の所で止まる。




「・・・・・無理強いはしないけど、全部の質問に答えて欲しい。
無理ならいいけど」




書きたくないと言うよりないんだよね・・・・・。
将来の夢という項目で、私は今探していますと書いた。
夢星高校なのに夢を見つけられないとは・・・・・。




「最後、フリースペース?じゃあねぇ・・・・・。
はい、終わったよ!一個だけ書けなかったけど」




海原君に渡すと一通り見られて言われた。




「このメルアド登録しといてもいい?・・・・・緊急用に」






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