クローバーの起こしたキセキ





別に登録されて迷惑ということは無かったし、海原君が大変な時にすぐさまわかるようになるなら・・・・・。
私は頷いて海原君に携帯を渡す。




「・・・・・メール来たぞ。
迷惑メールかもしれない、俺が見る。
いいか?」




海原君に渡した瞬間、メールが来た。
私の携帯はいたずら・迷惑メールなんてしょっちゅう。
だから今回もそれだろうと思い、海原君に開けてもいいよと言った。
海原君が携帯をパカッと開いてメールを開けると、どんどん表情が険しくなって行く。
そして指を動かして、あるボタンの前にきたとき、少し躊躇したようだけど押した。




「よくわからない出会い系サイトの誘いだ。
消しといた。
じゃあ交換するな」




そう言って海原君も携帯を出す。
綺麗な青色の携帯だ。
赤外線通信でお互いの携帯を向かい合わせて居る。




「・・・・・終わり、麻美が何か会ったときも俺を呼べ。
どんな時でも行くから。
・・・・・例え、死んでも」




「海原君は死なない。
だって私の心、お母さんの心、童君の心にずっと居るもん!」




海原君は携帯を私に渡しながら、うつむいてそうだなと小さく言う。
その姿を見て、私の胸はひどく傷んだ。






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