クローバーの起こしたキセキ
いつの間にか私の真横に立っていた碧海が読み上げる。
みんなにも聞こえていたようで、こっちを見て居る子も多い。
私は恥ずかしくなって赤くなってしまった頬を隠すようにそっぽを向きながら言った。
「あ、碧海なんか『がんば。』の一言じゃん!人のことなんか言えないよっ」
反論したところで碧海に勝てるはずがない。
それを一番よく知っているのは私。
だけど碧海は何も返さずに私では無く、私の後ろへ視線を向ける。
私もつられて振り向くと、微苦笑をしている童君がいた。
「童君も笑わないでよ〜」
碧海は、私はいーのと言ってからそのまま色紙を持って次の子に渡しに行った。
「おかしくて笑ったんじゃないよ?麻美は何があっても変わらないなって思っただけ」
童君のその言い草に私は少しカチンときた。
「じゃあなーに、私がいっつもバカなことやってて面白いってこと?」
ツンツンした態度になってしまったけど、童君は気にしない。
否定をしてきた。
「そんなことないって。
そうだな、簡単に言うと麻美には笑顔が似合うってこと」
お世辞だな。
私はそう思ってまだ起こっていることをアピールしようとしたけど、みんなに色紙が回り終わったのか先生が立ち上がって言う。
「もうそろそろ帰れ〜。
部活の奴は急げよ〜」